屋根補修の費用相場?補修方法や悪徳業者によるトラブル回避方法も

住宅の屋根は日々、風雨や紫外線にさらされており、経年劣化は避けられません。
放置すれば雨漏りなどの深刻な問題に発展する可能性もあるため、早めの補修が推奨されます。しかし、屋根補修の費用は工事内容によって大きく異なり、適切な価格か判断するのが難しいものです。
本記事では、屋根補修の種類別費用相場や、補修費用を抑えるためのポイント、信頼できる業者の選び方について詳しく解説します。
屋根補修の費用相場
屋根補修は、損傷の程度や範囲によって工事内容が異なります。小規模な部分補修から屋根全体の葺き替えまで、その費用は数万円から200万円以上まで幅広く分布しています。
工事内容に応じた適切な費用相場を知ることで、不当な見積もりを見分けることができ、業者選びの参考になります。
部分補修
部分補修は、破損や劣化が限定的な範囲の場合に選択される工事方法です。費用は5万円~30万円程度で、工事の種類によって以下のような相場があります。
瓦の補修:3万円~15万円
破損した瓦の交換や、ズレた瓦の位置調整を行います。
板金の張替え:15万円~30万円
棟板金や谷板金の劣化による交換工事です。
漆喰の補修:8万円~33万円
瓦屋根の接合部に使用される漆喰の詰め直しを行います。
雨樋の交換:10万円~30万円
破損や詰まりがひどい雨樋の交換工事です。
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屋根塗装
屋根塗装は、主にスレート屋根や金属屋根のメンテナンス方法として選択されます。費用は35万円~80万円程度で、使用する塗料の種類や屋根の面積によって変動します。
耐用年数と費用の目安
- アクリル塗料(5~7年):35万円~45万円
- シリコン塗料(10~15年):45万円~55万円
- フッ素塗料(15~20年):55万円~70万円
カバー工法
カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる工事方法です。古い屋根材を撤去する必要がないため、葺き替えよりも工期が短く、費用を抑えられます。
一般的な費用相場は80万円~120万円程度です。ただし、既存の屋根材や下地の状態によっては適用できない場合もあります。
葺き替え・葺き直し
葺き替えは、古い屋根材を全て撤去して新しい屋根材に交換する工事です。最も大規模な工事となるため、費用も140万円~200万円程度と高額になります。
下地から全て新しくなるため、長期的な耐久性が期待できます。また、屋根材を自由に選べるため、デザインの一新も可能です。
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屋根補修の費用を抑える方法
屋根補修は高額な費用がかかるため、できるだけ支出を抑えたいと考えるのが自然です。しかし、安さだけを追求して手抜き工事を引き当ててしまうと、かえって被害が大きくなることも。
ここでは適切な補修品質を保ちながら、費用を抑えるための賢い方法をご紹介します。
自然災害による被害なら火災保険が使える
台風や強風、雹(ひょう)、積雪などの自然災害で屋根が損傷した場合、火災保険を活用できる可能性があります。保険適用されれば、数十万円から数百万円の補修費用が大幅に軽減されます。
申請の流れは以下の通りです。
- 被害状況を写真で記録
- 保険会社に連絡し、損害調査を依頼
- 修理業者から見積もりを取得
- 必要書類を揃えて保険金を請求
ただし、経年劣化による損傷は保険適用外となります。また、修理前に必ず保険会社への連絡が必要です。
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屋根補修に利用できる補助金を活用する
国や地方自治体では、住宅リフォームに関する様々な補助金制度を設けています。屋根補修でも活用できるものがあり、特に省エネ性能の向上につながる工事は補助対象となりやすい傾向にあります。
主な補助金制度
- 住宅エコリフォーム推進事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
また、地方自治体独自の補助金制度もあります。施工前に自治体のホームページで確認するか、役所の窓口に問い合わせることをお勧めします。
なお、補助金申請は工事着工前に行う必要があります。工事後の申請では補助対象外となってしまうため、注意が必要です。
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屋根の耐用年数と保守工事のタイミング
屋根材には種類ごとに耐用年数があり、それに応じて適切なメンテナンス時期も異なります。定期的な点検と補修を行うことで、屋根材の寿命を延ばし、大規模な修理を防ぐことができます。
以下の表で、主な屋根材の耐用年数と推奨されるメンテナンスのタイミングをまとめました。
屋根材の種類 | 耐用年数 | メンテナンス時期 | 主な点検・補修内容 |
粘土瓦 | 50年以上 | 10~15年ごと | ・漆喰の補修
・ズレや割れの点検 ・苔やコケの除去 |
セメント瓦 | 30~40年 | 10~15年ごと | ・塗装メンテナンス
・ひび割れ点検 ・防水性の確認 |
スレート | 15~20年 | 7~10年ごと | ・塗装工事
・ひび割れ補修 ・反り ・変形の確認 |
ガルバリウム
鋼板 |
20~40年 | 20~30年ごと | ・塗装工事
・錆の点検 ・接合部の確認 |
トタン | 約30年 | 7~10年ごと | ・塗装工事
・錆の点検 ・穴あきの確認 |
なお、これらの年数はあくまで目安です。地域の気候条件や建物の立地環境によって、実際の耐用年数やメンテナンス時期は変動する可能性があります。また、台風や地震など自然災害の後は、屋根材の状態を必ず確認することを推奨します。
屋根補修を自分で行うのはおすすめしない
屋根補修のDIYは、費用削減の手段として検討される場合がありますが、極めて危険です。高所作業による転落事故のリスクはもちろん、適切な技術や知識がないままの施工は、かえって屋根の状態を悪化させる可能性があります。
以下に、屋根補修のDIYが危険である理由を具体的に説明します。
安全面のリスク:
- 足場なしでの高所作業による転落の危険性
- 屋根材の強度が不明な状態での作業
- 天候による作業環境の急変
技術面の問題:
- 防水処理の不備による雨漏りの発生
- 屋根材の固定不足による剥がれや飛散
- 下地の腐食見落としによる構造的な問題の放置
コスト面のデメリット:
- 不適切な施工による再修理の必要性
- DIY後の業者修理でかえって高額化
- 事故発生時の医療費や損害賠償
プロの業者に依頼することで、安全かつ確実な補修が可能になり、長期的に見ればコストパフォーマンスも優れています。特に雨漏りのような緊急性の高い修理は、速やかに専門家に相談することを強く推奨します。
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屋根補修を検討する際は悪徳業者に注意する
屋根は日常的に目にする機会が少なく、その状態を正確に判断することは一般の方には困難です。そのため、悪徳業者に付け込まれるケースが後を絶ちません。適切な業者を選ぶためには、悪徳業者の特徴を知り、見分けるポイントを理解しておくことが重要です。
悪徳業者がよく使う言葉
以下のような言葉で不安を煽り、即決を迫ってくる業者には要注意です。
- 「このまま放置すると建物が崩れる可能性がある」
- 「今なら特別価格で対応できる」
- 「明日までの限定サービス」
- 「うちだけの特殊な工法がある」
このような誇張された表現や、過度な焦りを煽る発言は、悪徳業者の典型的な手口です。
悪徳業者を回避するための確認事項
信頼できる業者を見分けるためには、まず事業所の実在性を確認することが重要です。固定の事業所を持ち、建設業許可証の番号が確認できる業者を選びましょう。過去の施工実績や顧客からの評判も、業者選びの重要な判断材料となります。
見積もりの透明性も重要なポイントです。工事内容や使用する材料、施工方法が具体的に記載され、追加費用の発生条件が明確に示されている見積書を提示する業者は信頼性が高いと言えます。
また、営業方法にも注目すべきです。強引な勧誘を行わず、他社との相見積もりを制限せず、保証内容を明確に説明してくれる業者を選択することで、トラブルを回避できる可能性が高まります。
もし悪徳業者と契約してしまったらクーリングオフを活用する
屋根補修の契約後、工事内容や金額に不安を感じることがあります。このような場合、契約から一定期間内であればクーリングオフ制度を利用して契約を解除できる可能性があります。
クーリングオフは、訪問販売や電話勧誘販売などで締結した契約を、消費者が一定期間内であれば無条件で解除できる制度です。屋根補修工事の契約においても、訪問販売で契約した場合は契約書面を受け取った日から8日以内であれば、この制度を活用できます。
クーリングオフの手続きは、書面による通知が必要です。はがきなどに契約の解除を通知する旨を記載し、簡易書留などの記録の残る方法で業者に送付します。その際、工事が始まっていても工事代金を支払う必要はなく、支払済みの代金は全額返還されます。
ただし、工事店に直接出向いて契約した場合や、契約金額が5万円未満(3000円を超える指定商品・サービスは5万円未満でも対象)の場合は、クーリングオフの対象外となります。不安を感じた時点で、すぐに消費生活センターや専門家に相談することを推奨します。
屋根補修を依頼する業者の選び方
信頼できる屋根補修業者を選ぶことは、工事の品質と費用対効果に大きく影響します。
複数の業者から見積もりを取得し、実績や対応の丁寧さ、見積書の内容を比較検討することが重要です。業者選びの失敗は、補修工事の質の低下や予期せぬ追加費用の発生につながる可能性があります。
屋根補修に関する実績が多い
豊富な実績を持つ業者は、様々な状況に対応できる技術と経験を有しています。
施工事例や施工後の写真をウェブサイトで公開している業者は信頼性が高いと言えます。
また、取引先や協力会社との関係が良好で、安定した施工品質を提供できる業者は、地域での評判も良好である傾向にあります。
時間をかけて現地調査をしてくれる
現地調査の丁寧さは、業者の仕事に対する姿勢を示す重要な指標です。
写真や動画を使用して劣化状態を詳しく説明し、補修の必要性や工事方法について具体的な提案をする業者は、プロフェッショナルとしての意識が高いと判断できます。
適切な調査なしでの見積もりは、工事途中での追加費用発生リスクが高まります。
見積もりに詳細が記載されているか
見積書は工事内容と費用の透明性を確保する重要な書類です。
材料費、労務費、諸経費などの内訳が明確に記載され、使用する材料の品番や数量まで具体的に示されている見積書は、業者の誠実さを表しています。
また、保証内容や施工後のアフターフォローについても、明確な記載があることが望ましいでしょう。
関連記事:雨漏り修理の費用の相場とは?優良業者の選び方も紹介
屋根補修は詳しい見積書を作成してくれる業者を選ぼう
屋根の補修業者を選ぶ際は、複数の見積もりを比較することが重要です。 中でも、見積書の内容が詳しい業者を選ぶのがポイントでしょう。
雨漏り修理30分は、熟練の職人が無料の現地調査を行い、屋根の状態に合わせた最適な補修プランを提案します。 見積書には細かい内訳が記載されているため、どの部分にいくらかかるのかが明確です。
さらに、自社施工による低価格、万全のアフターフォロー体制、柔軟な支払い方法など、雨漏り修理30分には高品質な施工を適正価格で提供するための様々な工夫があります。 屋根でお悩みの方は、ぜひ雨漏り修理30分に相談してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者

二瓶義哉(Yoshiya Nihei)
株式会社NK代表取締役
高校を卒業後、不動産の営業、ITコンサルタントを経験後、29歳で防水工事専門会社へ就職。
他業種だからこそ経験できたことを生かし、建築業界の枠にとらわれない視点でお客様への提案等を行うことにより、大手施工管理会社からの信頼を獲得。現在は雨漏りしない為の調査方法・修理方法を研究し雨漏り修理成功率99%を達成。
<略歴>
2018年 防水工事専門業者にて防水施工に従事
2021年 株式会社NKへ就職
2024年 代表取締役へ就任
現在に至る
<資格>
有機溶剤作業主任者
化学物質管理者
職長 安全衛生責任者
クレーン・デリック運転士
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