雨漏りの原因とは?修理にかかる費用や対処法も解説

雨漏りは住宅にとって重大なリスクをもたらします。
この記事では、雨漏りが起こる主な理由から、修理費用の概算、緊急時に自分でできる対策、そして根本的な問題解決に向けた方法を詳しくご紹介します。
さらに、雨漏り修理を成功させるために欠かせない、適切な専門業者の選定方法についても解説します。
本記事をお読みいただくことで、雨漏りによる悩みから解放され、大切な我が家を守るための準備が整います。
雨漏りが起こる原因
雨漏りの主な原因は、屋根や壁に雨水が侵入するための隙間が形成されることにあります。
これらの隙間はさまざまな原因で発生し、住宅の防護能力を弱め水が内部に入り込むのを可能にします。
以下では、雨漏りの主な原因を詳しく解説していきます。
原因①屋根の劣化
雨漏りの一般的な原因として屋根の劣化が挙げられます。
屋根材や防水シートが経年劣化により、ひび割れや浮き、そして穴が生じると雨水が侵入することになります。
とくに日光や雨風の影響を長期間受けた屋根は劣化しやすいです。
このため、屋根は雨漏りが発生しやすい場所としてよく挙げられます。
劣化した屋根からの雨漏りは、2階の天井にシミやクロスの剥がれ、浮きといった形で現れることが多いです。
屋根の状態を定期的にチェックし、必要な修理を早めに行うことが重要です。
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原因②屋根材の破損
屋根に穴が開くのは、主に強風による物体の衝突や雪と風のダメージが原因です。
これらの穴から雨水が侵入し、雨漏りが発生します。
穴が発生した際には、専門業者による修理を早めに行うことが大切です。
穴や損害を発見した際には直ちに専門業者に連絡を取り、素早く対応することが屋根を守るためには重要となります。
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原因③外壁のひび割れ
外壁の経年劣化は、ひび割れを引き起こしやすく、とくにサイディングボードでは釘周りに負荷がかかりひびが入りやすいです。
このひび割れや劣化したシーリング材から雨水が侵入し、屋内の壁に雨染みが発生する原因となります。
屋根の損傷は目に見えて判断しやすいですが、外壁のひび割れは一見して判別が難しく、細かなひびでも内部では大きなダメージになっている場合があります。
そのため、外壁にも定期的な点検が必要であり、ひび割れを見つけたら速やかに修理を行いましょう。
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原因④窓サッシの劣化
築10年以上経過した物件では、窓枠からの雨漏りが一般的な問題となります。
時間が経つにつれて、窓や壁の接続部分に隙間が生じ、そこから雨水が侵入するケースが多く見られます。
とくに外側の出っ張った部分や接続部の隙間は、雨水の侵入口となりやすいです。
この問題に対処するためには見つけ次第、劣化したシーリング材の修理や交換が必要です。経年劣化は避けられないため、定期的な点検とメンテナンスが雨漏りを防ぐ鍵となります。
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原因⑤ベランダの防水層の劣化
ベランダからの雨漏りはよく見過ごされる問題点です。
ベランダはほとんど傾斜が設けられていないため水が溜まりやすく、これが原因で下の階の天井に雨漏りが発生することがあります。
とくに一階の天井で雨漏りが起こるケースは、ベランダの水溜まりが原因であることが多いです。
ベランダの水はけを改善し、定期的なメンテナンスを行うことで、このような雨漏りを防ぐことが可能になります。
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原因⑥コーキングの劣化
窓のサッシを囲むコーキング材は、時間が経過するとその効果が弱まることがあり、雨が侵入するための隙間が生まれやすくなります。
とくに家の一階部分の天井に雨漏りが見られる場合、これが一因となっていることがあります。
コーキングの密着力が落ちると、窓枠とガラス、または枠と壁の接合部に空間ができ、そこから雨が侵入します。
風雨の影響を直接受ける箇所では、このような劣化が見られた場合には、すぐに対処することが求められます。
防水性と耐久性に優れた新しいコーキング材への交換や、必要な補修を行うことで、雨漏りを防げます。
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原因⑦雨樋の詰まり
雨が降ると、機能していない雨樋から水が溢れ出たり、隙間から落下したりすることがあります。
これらは雨樋が本来の役割を果たしていないため起こります。
この現象が見られたら早急に専門業者による点検が必要です。
とくに雨樋の問題は一階の天井で雨漏りが発生する原因となることがあります。
適切なメンテナンスと修理を行うことで、雨水による家への悪影響を防ぎ、住宅の損傷を最小限に抑えることができます。
雨漏りと間違えやすい水漏れとは?
雨漏りは外からの雨水の浸透が原因で起こりますが、水漏れは建物内の配管や機器のトラブルによって引き起こされます。
以下では、雨漏りと間違えやすい水漏れの種類とその見分け方について解説します。
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結露
結露は室内外の温度差によって空気中の水分が水滴となり、とくに冬場に窓ガラスや外壁に見られる現象です。
この水滴が天井に染みを作る場合、雨漏りと間違えやすくなります。
雨漏りか結露かを判断する際は、発生する季節や条件を確認しましょう。
結露の場合は、定期的な換気で湿気を飛ばします。
漏水
漏水は水道管の経年劣化や排水口の詰まりが原因で発生し、水が溢れ出る現象を指します。
水道メーターが使用していないにも関わらず回り続ける場合、漏水している可能性が高いです。
このような状況を見つけたら、速やかに水道業者に連絡し、点検や修理を依頼してください。
【場所別】雨漏り修理にかかる費用の相場
雨漏りの修理費用は、漏水の場所や修理の範囲によって大きく変わります。
以下では、主な漏水箇所ごとに修理にかかる費用の相場を解説します。
屋根の場合
屋根からの雨漏りは、下方向へ被害が広がりやすく、台風などの影響で棟板金の交換や葺き替えが必要になることが多いです。
以下は屋根の修理にかかる費用の相場です。
屋根の雨漏り修理 | 費用相場 |
スレート屋根の場合 | |
スレートの差し替え/1枚当たり | 5千~2万円 |
棟板金の交換 | 10万~30万円 |
屋根カバー工事 | 30万~80万円 |
スレートの葺き替え | 60万~100万円 |
瓦屋根の場合 | |
瓦の交換/1枚当たり | 5千~2万円 |
棟瓦の漆喰補修 | 15万~30万円 |
瓦の葺き替え | 80万~130万円 |
その他 | |
足場仮設 | 5万~20万円 |
下地板の交換 | 10万~30万円 |
破風板、軒天など木部の交換 | 10万~50万円 |
天井の張替え | 5万~15万円 |
外壁の場合
外壁からの雨漏りの場合、軽度であれば隙間を塞ぐだけで済みます。
しかし少し離れた部屋まで水が行っていた場合は、壁の部分張替えなどが必要である可能性が高いです。
外壁の修理にかかる費用の相場は以下の通りです。
外壁の雨漏り修理 | 費用相場 |
コーキング補修/1m当たり | 700~1,000円 |
ひび割れ補修/1m当たり | 1,000~2,000円 |
外壁の部分張替え・修繕 | 10万~30万円 |
外壁のカバー工事 | 15万~60万円 |
内部木材の交換、補強 | 10万~50万円 |
窓の場合
窓サッシの雨漏りで、初期の軽微な症状は、隙間を埋めることで対処できます。しかし、長期間にわたって水が侵入し続けた場合、サッシの下部や、それに接する外壁や内壁が腐食している可能性があります。
窓の修理にかかる費用の相場は以下のとおりです。
窓サッシの雨漏り修理 | 費用相場 |
コーキング補修/1m当たり | 700~1,000円 |
窓枠補修/1枚当たり | 3万~10万円 |
窓サッシ交換/1枚当たり | 5万~30万円 |
外壁の張替え・修繕 | 10万~30万円 |
内部木材の交換、補強 | 10万~50万円 |
ベランダの場合
ベランダの床部分は防水されていますが、経年劣化によってひび割れを起こしてしまいます。
10年〜15年を目安に防水をやり替えてあげましょう。
ベランダの修理にかかる費用の相場は以下のとおりです。
ベランダの雨漏り修理 | 費用相場 |
手すりコーキング補修/1m当たり | 700~1,000円 |
手すり交換 | 3万~10万円 |
ベランダ防水工事 | 10万~30万円 |
床下地交換 | 15万~20万円 |
ベランダ軒張り替え | 5万~20万円 |
住宅本体木材の交換、補強 | 10万~50万円 |
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雨漏りを防ぐためにできること
屋根の雨漏りは事前に対処することが重要です。
早めに対策をしておけばダメージを最小限に抑えられるでしょう。
雨漏りを未然に防ぐためには以下の方法があります。
①定期的なメンテナンスをする
屋根のメンテナンスは定期的に行いましょう。
放置すると劣化が進み、建物全体の腐食や大規模な修理につながり、費用が膨大になる可能性があります。
破損箇所の早期補修や弱った部分の補強を心がけ、専門業者に定期的なチェックを依頼することが、長期的に見て経済的です。
これにより、高額な建て替え費用を回避し、建物を長持ちさせることができます。
②屋根のリフォームをする
屋根の劣化は放置せず、発見次第補修することで雨漏りを防げます。
とくに全体が老朽化した場合は、塗装、葺き替え、コーキングの打ち直しを含む屋根リフォームが効果的です。
外材やコーキングの劣化は避けられないため、定期的に交換しなければなりません。
コーキングのヒビ割れから雨が侵入することもあり、屋根自体に問題がなくてもコーキングの破損は雨漏りの原因になります。
雨漏り防止には屋根の定期的なメンテナンスと必要に応じたリフォームをおすすめします。
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雨漏りが発生した際の対処法
雨漏りが発生した場合、速やかな対応が重要です。
適切な初期対応を行うことで、損害を最小限に抑えることができます。
以下では、雨漏り発生時に取るべき対処法を具体的に解説します。
方法①屋根にブルーシートを被せる
屋根をブルーシートで被せる方法は、転落する危険がともなうためおすすめはできません。
ブルーシートでの対応は、専門業者による速やかな対応が難しい場合や、バケツでは対応できないほどの広い範囲からの漏水がある際にのみ検討しましょう。
やはり安全を最優先に考え、専門業者への依頼を基本としましょう。
方法②水の落下地点にバケツを置く
バケツを使って雨漏りを一時的に処理する方法は、緊急時に役立ちますが、根本的な解決策ではありません。
この対策は業者が修理に来るまでの暫定的なもので、修理が不要だと考えてはいけません。
放置すると屋根材の腐食や住宅の全体的な劣化が進み、より大きな問題に発展する可能性があります。
雨漏りが発生したら速やかに専門の業者に連絡し、原因を特定してもらい適切な修理を行いましょう。
方法③家具を移動させる
雨漏りが発生した際、電化製品や貴重品を濡れから守るために退避させることが重要です。
感電や漏電を防ぐため、退避と同時にコンセントからのプラグ抜きも忘れずに行いましょう。
この対応は、雨水による故障や腐食を未然に防ぎ、安全を確保するためには欠かせません。
安全対策として電化製品はもちろん、濡れるリスクのある物品を安全な場所へ移動させることを心がけましょう。
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方法④早めに修理業者に連絡する
屋根からの雨漏りに気づいたら、すぐに修理の専門業者に連絡を取りましょう。
穴が開いたままでは雨漏りは止まらないため、迅速な対応が必要です。
連絡手段としては、電話だけでなく、インターネットで「雨漏り業者 (地域名)」と検索すれば、近くで営業する業者の情報がヒットします。
地元の業者を選ぶことで、より早く対応してもらえる可能性が高まります。
このように、速やかに適切な業者を見つけ依頼することが、雨漏り問題を解決へと導く第一歩です。
雨漏り修理業者を選ぶ際のポイント
雨漏り修理は専門的な技術が必要なため、適切な業者を選ぶことが非常に重要です。
信頼できる修理業者を選ぶことで、雨漏りの問題を効果的に解決できます。
以下では、雨漏り修理業者を選ぶ際のポイントについて具体的に解説します。
- ポイント①原因を明確にしてくれる業者か
- ポイント②資格を所有しているか
- ポイント③家から近いか
それぞれのポイントについて詳しく説明していきます。
ポイント①原因を明確にしてくれる業者か
雨漏り修理の際、業者選びの重要なポイントは原因を特定できる能力の有無です。
経験豊富な業者は表面的な症状だけでなく根本原因を正確に診断し、適切な解決策を提案できます。
これにより問題の再発防止と、修理の長期的な効果が保証されます。
信頼できる業者を見極めるためには、最初の段階でこの診断能力を確認することが重要になります。
ポイント②資格を所有しているか
雨漏りの調査と修理の品質は、業者が持つ「建築士」や「雨漏り診断士」といった専門資格によって判断できます。
これらの資格を持つ業者は、住宅の構造や雨漏りの複雑な問題に精通しており、効果的な修理を提案できる可能性が高いです。
業者選びの際は、ウェブサイトで資格情報を確認することが重要です。
資格を持つ専門家に依頼することで、根本的な原因の特定と適切な修理が期待できます。
ポイント③家から近いか
雨漏り修理を依頼する際は、家の近くにある業者を選ぶことをおすすめします。
近い業者なら移動時間が少なく、早く対応してもらえる可能性が高くなります。
車で15分以内の距離にある業者が理想的ですが、最大でも1時間以内の業者を選ぶと良いでしょう。
この基準に沿うことで、現地調査や修理工事の日程調整がスムーズになり、早期の問題解決につながります。
雨漏り原因から修理~予防方法まで徹底解説
雨漏りは見過ごされがちですが、放っておくと住宅の大きな被害につながります。
そのため、初期段階での発見と速やかな対処が非常に大切です。
本記事では、雨漏りの原因を掘り下げ、修理に関わる費用の大まかな見積もりと実践的な解決策をご紹介しました。
雨漏り修理のご依頼なら雨漏り修理30分にご相談ください。
私たちは定期検査と適切な対応策を通じて雨漏りの可能性を極力減らし、皆様の安心と快適な住まいを守るためのサポートをさせていただきます。
この記事の監修者

二瓶義哉(Yoshiya Nihei)
株式会社NK代表取締役
高校を卒業後、不動産の営業、ITコンサルタントを経験後、29歳で防水工事専門会社へ就職。
他業種だからこそ経験できたことを生かし、建築業界の枠にとらわれない視点でお客様への提案等を行うことにより、大手施工管理会社からの信頼を獲得。現在は雨漏りしない為の調査方法・修理方法を研究し雨漏り修理成功率99%を達成。
<略歴>
2018年 防水工事専門業者にて防水施工に従事
2021年 株式会社NKへ就職
2024年 代表取締役へ就任
現在に至る
<資格>
有機溶剤作業主任者
化学物質管理者
職長 安全衛生責任者
クレーン・デリック運転士
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