天窓から雨漏りするのはなぜ?雨漏りの修理方法を詳しく解説

天窓は室内に自然の光をもたらし、生活空間を明るく心地よくする重要な役割を果たしますが、時として雨漏りのトラブルを引き起こすことがあります。
この記事では、天窓から雨漏りが発生する原因を詳しく調査し、雨漏りを防ぐ方法を解説していきます。
天窓からの雨漏りにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
天窓の役割
天窓は自然光の取り込み、空気の流れの改善、そして部屋の開放感を高めることで、住まいの快適性を大きく向上させる重要な機能を持っています。
部屋を明るくする
天窓は、階段の近くや住宅が密接している地域など、標準的な窓を設置するのが困難な場所において自然光を室内に導く絶好の手段となります。
このようにして、天窓を通じて直接日光を取り込むことで、室内はより明るく広がりを感じることができます。
また、電気を使わないで済むため、生活空間の質を向上させるとともに、エネルギー効率の良い環境をもたらします。
とくに建物が密集している場所で1階が暗くなりがちな場合でも、天窓により部屋を効果的に明るくできます。
風通しを良くする
天窓は室内換気を大きく改善する重要な機能を果たしています。
開け閉めが可能なタイプの天窓は、その換気効果がとくに高いとして注目されており、空気が自然に上昇する性質を利用して、家の内部の空気を入れ替えてくれます。
開閉式の天窓を開放することで、新鮮な空気が家の下から上へと移動し、これが室内温度を自然に調整するのに役立ちます。
この現象は夏にとくに効果的で、室内の快適さの向上に大いに貢献します。
暮らしを豊かにする
天窓は、日々の生活に開放感という贅沢を与えます。
空や変化する景色を家の中から直接感じられることで、暮らしに豊かさと特別な価値を加えます。
とくに狭い都市部の住空間でも、天窓があることで空間にゆとりが生まれます。
家の中から空を眺めることができる開放感は、快適で心地よい家づくりに欠かせません。
プライバシーを確保する
天窓はプライバシーを守りつつ、室内に自然光を取り入れる効果的な方法です。
隣接する家が近く、外からの視線が気になる場合でも、天窓を設置することで、外の目を気にすることなく室内を明るく保つことができます。
さらに、自然光の導入は、リラックス効果を与える、居住空間の快適さだけでなく、住む人の心身の健康にも良い影響を与えます。
天窓の耐用年数
天窓の耐用年数は約20年とされています。
築20年を超えた天窓は、劣化により徐々に雨漏りのリスクが高まるため、早めに交換することをおすすめします。
天窓の寿命は突然訪れるわけではなく、時間とともに「じわじわと」劣化が進むため、問題が深刻化する前に対処することが大切です。
また、20年以上の使用により交換部品が生産終了となっていることが多く、修理よりも一式を交換してしまったほうが良い場合もあります。
雨漏りが起きてから対処するのではなく、雨漏りが発生する前に定期的なメンテナンスを行うようにしましょう。
天窓の注意点
天窓は多くのメリットをもたらしますが、適切な維持管理が不可欠であることも留意しなければなりません。
ここでは、天窓を設置・使用する際に注意すべき主な注意点について解説します。
結露が発生する
天窓近くのクロスに染みや水滴が見られる場合、結露が原因である可能性があります。
これは、天窓のガラス断熱性の低さと室内外の温度差が結露を生じさせるためです。
雨漏りと結露の判断をするには、晴れている日にも水滴が発生するかを確認します。
雨が降っていないにもかかわらず水滴が見られる場合、結露が原因である可能性が高いです。
結露の発生が見られたら、天窓の断熱性を高めるための処置が必要となります。
雨漏りする
天窓からの雨漏りは、シーリングの劣化やフレームの隙間が原因で発生し、放置すれば建物の損傷やカビのリスクを高めます。
この問題を解決するには、雨漏りに気づいた時点で速やかに修理を行うことです。
さらに、雨漏りを未然に防ぐ最善策は、定期的なメンテナンスを行うことです。
問題発生を待つことなくメンテナンスを行うことで、天窓の機能を長持ちさせ、安全かつ快適な居住空間を維持できます。
天窓から雨漏りする原因とは
天窓からの雨漏りは、家屋の構造的な問題や天窓自体の劣化によって発生することがあります。
以下では、天窓から雨漏りが発生する主な原因と、それに伴う問題点について解説します。
原因①パッキン・コーキングの劣化
天窓のゴムパッキンは約5〜10年の耐用年数を持ち、直射日光により劣化が進みやすい部分です。
とくに古い建物では、外側に設置されたゴムパッキンがひび割れや縮みから雨漏りの原因となることがあります。
この劣化が内壁損傷に繋がり、壁紙の浮きは雨漏りのサインです。
最新の天窓では内側にゴムパッキンを設置し劣化を遅らせる工夫が施されていますが、雨漏りを防ぐには定期的なメンテナンスが必要です。
原因②天窓周辺の汚れ
天窓周辺の雨水排水路に葉っぱやゴミが詰まると、水の流れが妨げられ、雨漏りの原因となります。
とくに瓦屋根のように空間ができやすい構造では、詰まりが雨漏りを引き起こしやすくなります。
このような状況は、下地の劣化をもたらし、結果的に大規模な修理が必要になることがあります。
ゴミが溜まりやすい箇所は、目視での確認が困難なため、定期的に清掃を行い雨漏りが起きにくい環境を維持しましょう。
とはいえ、それを居住者自身で行うのは困難であり、何より危険が伴います。
よって、高所作業に精通した専門業者による清掃を定期的に依頼することが、建物の保護に繋がります。
原因③防水シートの劣化
天窓の防水加工は、雨水が屋根を通して建物内に侵入するのを防ぐために欠かせません。
とくに、防水シートやエプロンなどの素材は、時間と共に紫外線による劣化が進み、20年を目安に交換が必要になります。
劣化が進むと雨漏りの原因になり、最初は天井からその兆候が見られます。
防水加工が損傷している場合、修理が不可欠です。
放置すると、屋根全体への雨漏りが広がる可能性があり、余計に修理費用がかさみます。
防水加工の劣化を確認したらすぐに専門業者への調査・修理を依頼しましょう。
関連記事:天井からの雨漏りの原因とは?危険性や応急処置も紹介
原因④ガラスのひび割れ
天窓の耐用年数は約20年とされていますが、その期間を超えると、見た目には問題がなくても、隠れた部分の劣化が進んでいる可能性があります。
とくに天窓を支える木枠が雨水で腐敗しているケースは少なくありません。
このような状況では、木枠の修理や天窓本体の交換が必要になることがあります。
また、強風で飛来物がガラスに衝突し、それが原因で雨漏りが発生することもあります。
ガラスのみの交換で対応可能な場合もありますが、適合するガラスが見つからない場合は天窓全体を交換する必要が出てきます。
天窓から雨漏りが発生するとどうなるのか
天窓からの雨漏りは、それ自体が不快なだけでなく、暮らしと住宅そのものに様々な悪影響を及ぼします。
以下では、雨漏りを放置した場合の危険性について詳しく解説していきます。
雨漏りを放置する危険性
雨漏りを放置すると、家の構造と居住者に健康に悪影響を与えます。
シミの発生、木材の腐食、金属の錆、カビやシロアリの増殖はもちろん、漏電による火災リスクの増大や住宅の耐久性低下が挙げられます。
さらに、カビやダニの発生は居住者の健康を損なうこともあります。
これらの問題は、建物だけでなく住む人の健康にも悪影響を及ぼすため、雨漏りは決して軽視できない問題です。
早く対応することが、安全で快適な居住環境を維持する鍵となります。
関連記事:雨漏りするとカビが発生するのはなぜ?場所別に詳しく解説
天窓からの雨漏りを修理する方法
天窓からの雨漏りは、放置すると住宅に重大なダメージを引き起こす可能性があります。
以下では、天窓からの雨漏りが発生した際に取り組むべき修理方法と、その手順について詳しく解説します。
方法①コーキング剤で窓枠を補修する
コーキング作業を成功させるには、事前の準備が重要です。
まず、コーキング材を塗る範囲をマスキングテープで丁寧に囲むことで、余計な場所への付着を防ぎます。
その後、プライマーを塗布してコーキング剤の接着性を向上させることがポイントです。
プライマーはコーキング剤がしっかりと固定されるようにする下地塗料です。
最終的に、ゴムパッキンの穴や剥がれ、劣化した部分を隙間なくコーキング剤で埋めていくことで、耐久性と防水性を高められます。
関連記事:雨漏り修理のコーキング方法を徹底解説
方法②天窓周りを掃除する
瓦屋根や他の隙間ができやすい屋根材では、ゴミが溜まりやすく、鳥が巣を作りやすい条件が整っています。
これらの問題に対処するためには、天窓の周辺にある瓦を一時的に取り外して、溜まったゴミや塞がった部分を清掃する必要があります。
この方法により、屋根を適切な状態に保ち、雨漏りのリスクを低減させることが可能になります。
方法③防水シートを交換する
穴や破れが原因で雨漏りする場合、防水シートの交換が効果的です。
とくに天窓周辺は、時間の経過による劣化が見られやすく、定期的な点検と必要に応じた交換が求められます。
新しい防水シートに交換することで、雨水の室内への侵入を防ぎ、天窓の耐久性と機能性を高めることができます。
破損が見られる場合の交換は、建物を長期的に保護することに貢献します。
適切な診断と交換作業を行うことで、雨漏りのリスクを減少させ、安心して生活するための環境を確保します。
方法④屋根を交換する
屋根の全面的な再葺きは、雨漏りの根本的な解決に導く手段です。
過去の修繕で効果が見られなかったり、雨漏りが繰り返し発生したりする場合は、屋根を一新することを考慮することが良いでしょう。
このアプローチにより、雨漏りの具体的な起点がどこであれ、広範囲に及ぶ問題を根本から解決できます。
方法⑤天窓を交換・撤去する
天窓の交換や撤去は、雨漏りや断熱性の問題を解決するための確実な手段です。
古くなった天窓を新しいモデルに更新することで、室内の快適性とエネルギー効率が向上します。
作業は、まず古い天窓を取り除き、新しい天窓に合わせて屋根に穴を開けることから始まります。
続いて、新型天窓の設置と、防水シートを用いた防水作業の実施、そして瓦やその他の屋根材の再配置を行います。
この一連の手順により、天窓に起因する雨漏りを完全に阻止し、さらに断熱効果を向上させることができ、結果として建物の長期的な維持に貢献します。
天窓の雨漏りはご自身でも対処できる?
天窓のメンテナンスを自分で行うことは、費用を抑えつつ作業スケジュールを自由に管理できる大きなメリットをもたらします。
室内から水分を吸収するパッドを使うことや、外側に防水スプレーを施すことで、手軽に雨漏り対策を施すことができます。
ただし、この種の作業は高所で行われるため、安全面での充分な配慮が必要です。
適切な安全装備の着用と、作業前のリスクアセスメントは、事故を未然に防ぐために欠かせません。
完璧に修理したい、あるいはリスクを完全に避けたい場合は、専門の業者に依頼するほうが賢明と言えるでしょう。
関連記事:ベランダ・バルコニーから雨漏りする原因や修理費用を紹介
天窓の雨漏り修理にかかる費用の相場
天窓からの雨漏り修理にかかる費用は、損害の範囲、使用されている屋根の材質、選択する業者によって異なります。
一般的な修理費用の相場は約20万円〜35万円とされています。以下に一般的な修理の費用相場で解説しますので参考程度にみてください。
雨漏りの原因 | 修理費用の目安 |
天窓のコーキング、ゴムパッキンの劣化 | 約2万~10万 |
天窓周辺のルーフィングの劣化(屋根材の一部撤去) | 約20万~35万 |
天窓周辺の板金の劣化 | 約10万~25万 |
天窓の交換 | 約20万以上 |
天窓の雨漏り修理には、状況に応じて10万円〜35万円の費用がかかります。
軽度の部分補修の場合、10万円以下で済むこともありますが、天窓の撤去や交換が必要な大掛かりな工事では、費用が35万円程度に跳ね上がることもあります。
とくに撤去や交換作業に仮設足場が必要な場合や、雨漏りの原因が屋根材にある場合は、さらに高額になることがあります。
修理範囲や方法によって費用が大きく変動するため、事前の正確な評価が重要になります。
関連記事:雨漏り修理はいくらかかる? 費用相場やポイントを解説
天窓の雨漏りを防ぐポイント
天窓からの雨漏りは、適切な予防措置を取ることで大幅に減少させられます。
以下では、天窓の雨漏りを防ぐために重要なポイントと、具体的な予防策について詳しく解説します。
ポイント①定期的に窓ガラスを清掃する
窓ガラスを清潔に保つことは、太陽光を最大限に取り込む最もシンプルな手段です。
傷や汚れは透明度を低下させるため、研磨剤を含まないスポンジでの拭き掃除をするとよいでしょう。
また、水道水の使用はカルキの残留を招くため、軟水の使用か、水分をしっかりと拭き取ることが重要です。
結露による水滴が窓ガラスに残ると、見た目の問題だけでなく、雨染みを引き起こす原因ともなります。
これらの手順に従うことで、窓ガラスの透明度を維持し、太陽光の取り込み効率を高めることができます。
ポイント②雨どいを点検する
雨どいの詰まりは見過ごされがちな雨漏りの一因になります。
とくに冬場は雪や氷が溜まりやすく、雨どいだけでなく天窓周辺の水の流れも悪化させます。
そのため、雨水が屋根から雨どいへスムーズに流れるよう定期的な確認と清掃が必要です。
これにより、雨漏りのリスクを減らし、家全体の保護にも繋がります。
関連記事:窓枠やサッシからの雨漏りの原因とは?応急処置の方法も紹介
ポイント③10年目ごとに点検する
天窓のシーリング材は大体10年程度で劣化し、それが原因で水漏れが起こることがあります。
このため天窓専門メーカーや屋根業者による定期的な点検が重要になります。
この10年という時期は、天窓の保守においてとくに重要で、定期的な検査やメンテナンスを怠ると、雨漏りが早期に起こる可能性が高まります。
定期検査では、シーリング材の更新、各部品の検査と修理、グリスの追加、窓の外側の清掃などが行われます。
天窓の雨漏り解決ポイント
天窓からの雨漏りは早めに気付き、適切な手段をとることで克服できます。
天窓の問題を避けるには、周期的な検査と早めの行動が重要です。
得られた知見を活かし、快適で乾いた住まいを維持しましょう。
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長い経験と確かな成果に基づき、お客様の住まいを理想的な条件に整える手助けをします。
この記事の監修者

二瓶義哉(Yoshiya Nihei)
株式会社NK代表取締役
高校を卒業後、不動産の営業、ITコンサルタントを経験後、29歳で防水工事専門会社へ就職。
他業種だからこそ経験できたことを生かし、建築業界の枠にとらわれない視点でお客様への提案等を行うことにより、大手施工管理会社からの信頼を獲得。現在は雨漏りしない為の調査方法・修理方法を研究し雨漏り修理成功率99%を達成。
<略歴>
2018年 防水工事専門業者にて防水施工に従事
2021年 株式会社NKへ就職
2024年 代表取締役へ就任
現在に至る
<資格>
有機溶剤作業主任者
化学物質管理者
職長 安全衛生責任者
クレーン・デリック運転士
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