屋根工事の見積書の見方やチェックすべきポイントを紹介

屋根の葺き替え工事を検討するとき、最初の関門となるのが見積書の確認です。
屋根工事の見積書には、工事内容や使用する材料、金額など重要な情報が記載されています。 しかし、専門的な用語や項目が多く、初めて見る方にとっては内容を理解するのが難しいものです。
本記事では、屋根葺き替え工事の見積書明細の見方や、チェックすべきポイントを詳しく解説します。 また、屋根材の種類や面積ごとの相場も紹介するので、適正価格の判断にお役立てください。
屋根工事の見積書の見方
見積書は工事内容や費用を確認できる重要な書類です。
適切な工事を適正価格で依頼するために、見積書の基本的な見方を理解しておきましょう。
屋根工事の見積書には、大きく分けて以下の項目が記載されています。
- 工事内容と施工範囲
- 使用する建材や材料の名称と数量
- 足場設置や養生などの付帯工事
- 廃材の処分費用
- 諸経費や保証内容
見積書には工事の詳細が明確に記載されているのが重要です。
「屋根工事一式」といった曖昧な表記では、具体的な工事内容や使用材料が不明確なため、トラブルの原因となります。
また、見積書には必ず会社の所在地や担当者名、連絡先が明記されているか確認しましょう。
これらの基本情報が記載されていない見積書は、信頼性に欠ける可能性があります。
葺き替え方法
屋根の葺き替え工事は、古い屋根材を撤去して新しい屋根材を設置する大規模な工事です。
工期は通常15日程度かかり、以下のような工程で進められます。
- 既存の屋根材と役物の解体撤去
- 野地板の増し張りや補強
- 防水シートの設置
- 垂木や瓦桟の取り付け
- 谷板金やケラバ板金等の役物の設置
- 新規屋根材の設置
- 棟板金等の役物の仕上げ
葺き替え工事では、古い屋根材を撤去した際に野地板の腐食が見つかることがあります。
そのため、見積書には野地板の補修・補強に関する項目が含まれているか確認することが大切です。
また、葺き替え工事では足場の設置が必要です。
労働安全衛生規則で定められているため、足場代は必ず見積書に計上されているはずです。
屋根リフォームの見積書を見るときに気を付けるポイント
見積書の内容を正しく理解することは、適切な工事を依頼するために重要です。
ここでは、見積書をチェックする際の具体的なポイントを解説します。
工事の詳細が記載されているか
見積書には工事の全体像と各工程の詳細が明確に記載されているべきです。
具体的な項目と施工手順が明記されているか、以下をチェックしましょう。
- 工事の工程表と作業内容
- 施工範囲や施工方法の説明
- 使用する工具や機材の内容
- 工事期間中の養生方法
- 安全対策の内容
優良な業者は図面や写真を用いて分かりやすく説明してくれます。
不明な点があれば、施工業者に説明を求めましょう。
材料名が記載されているか
屋根工事の見積書では、使用する材料の具体的な名称や仕様が明記されているかどうかが重要です。
建材の名称は、メーカー名や品番、型番まで詳しく記載されているのが望ましい状態です。
たとえば、「ガルバリウム鋼板」と記載されているだけでなく、「フッ素コート」や「シリコン塗装」といった具体的な仕様まで明記されているか確認しましょう。
材料のグレードによって耐用年数や耐候性が大きく変わってきます。
以下のような項目が具体的に記載されているか、チェックしていきましょう。
- 屋根材の具体的な製品名とメーカー名
- 防水シートの種類や厚み
- 下地材や補強材の仕様
- 板金や役物の材質
- 固定金具やビスの種類
材料名が不明確な場合、安価な材料に変更されるリスクがあります。
見積書に記載された材料以外のものが使用された場合、耐久性や性能に影響が出る可能性があるため注意が必要です。
優良業者は使用する材料について、その特徴や選定理由まで説明してくれます。
不明な点があれば、材料の選定理由や性能について質問してみましょう。
項目や数量が一式になっていないか
見積書の中で「一式」という表記が多用されている場合は、要注意です。
一式表記は「まとめて」という意味で使われますが、具体的な内容が不明確になってしまいます。
たとえば「屋根工事一式 150万円」といった表記では、実際にどのような作業が含まれているのか把握できません。
以下のような問題が発生する可能性があるため、一式表記は避けるべきです。
- 工事内容の詳細が不明確
- 数量や面積の正確な把握ができない
- 追加工事が発生した際の判断基準がない
- 工事金額の妥当性を判断できない
見積書では、具体的な数量や単価が明記されているべきです。
たとえば、屋根材であれば使用する面積(㎡)、板金部材であれば長さ(m)など、計測可能な単位で記載されているか確認しましょう。
また、諸経費についても「諸経費一式」という表記は避け、内訳を明確にしてもらう必要があります。
優良な業者は、運搬費や廃材処分費など、諸経費の内容を具体的に記載してくれます。
もし一式表記が多い見積書を受け取った場合は、詳細な内訳を求めましょう。
見積書の内容が不明確なままでは、適切な工事かどうかの判断ができません。
相場よりも高くないか
屋根工事の金額が適正かどうかを判断するには、相場を知ることが重要です。
以下に、一般的な屋根葺き替え工事の相場を紹介します。
延べ床面積 | 工事費用の目安 |
20坪(約66㎡) | 100万円~160万円 |
30坪(約99㎡) | 120万円~185万円 |
40坪(約132㎡) | 140万円~230万円 |
ただし、この金額はあくまでも目安です。
最終的な工事費用は以下の要因によって変動します。
- 既存の屋根材の種類
- 新しく使用する屋根材の種類とグレード
- 屋根の形状や勾配
- 施工の難易度
- 足場の設置条件
たとえば、30坪の建物で200万円を超える見積額が提示された場合は、少々割高と考えられます。
ただし、高級な屋根材を使用する場合や、特殊な工事が必要な場合は、この限りではありません。
適正価格かどうか判断するために、必ず複数の業者から見積りを取ることをおすすめします。
その際、工事内容や使用材料が同じ条件になるよう、しっかりと確認しましょう。
キャンペーンの項目や説明がないか
「今なら特別価格」「期間限定の割引」といった、過度なキャンペーン表記がある見積書には注意が必要です。
通常、屋根工事の価格は材料費や人件費などの実費をもとに算出されます。
材料の値上がりなどの特別な事情がない限り、極端な値引きやキャンペーン価格を提示することは考えにくいものです。
以下のような表記がある場合は要注意です。
- 「今日契約すれば〇〇万円引き」
- 「特別キャンペーン価格」
- 「期間限定の破格の値引き」
- 「今なら工事費無料」
このような営業手法は、お客様の冷静な判断を妨げる可能性があります。
見積書は工事内容と適正な価格で評価することが大切です。
関連記事:屋根修理が必要な屋根の状態とは?費用や修理方法を紹介
見積書が契約書になっている場合もあるので注意
見積書と契約書は全く別の書類です。
見積書はあくまでも工事内容と金額を事前に提示するための資料であり、契約を確定させる書類ではありません。
以下のような事例には特に注意が必要です。
- 見積書への押印や署名を強要される
- 「事前確認」という名目でサインを求められる
- 「今日中の契約」を迫られる
訪問販売による契約の場合、クーリングオフ制度を利用して契約を解除できる場合があります。
契約に不安を感じた場合は、最寄りの消費生活センターに相談しましょう。
屋根工事の相場
屋根工事の費用は、建物の大きさや屋根材の種類によって大きく変動します。
ここでは、屋根葺き替え工事の一般的な相場をご紹介します。
主な屋根材別の葺き替え費用相場(30坪の場合)
■屋根材による葺き替え工事費用の目安
既存屋根材 | 新規屋根材 | 費用相場 |
瓦 | スレート | 120万円~160万円 |
瓦 | ガルバリウム鋼板 | 160万円~200万円 |
スレート | ガルバリウム鋼板 | 140万円~180万円 |
スレート | 軽量瓦 | 160万円~230万円 |
これらの金額には、以下の費用が含まれます。
- 既存屋根材の撤去費用
- 新規屋根材と関連部材
- 施工に必要な人件費
- 廃材処分費用
- 足場設置費用(15万円~25万円)
住宅図面がない場合の、屋根面積の大体の求め方
屋根面積は見積金額を算出する重要な要素です。
図面がない場合は、以下の手順で概算の屋根面積を求めることができます。
- 建物の間口と奥行きを測る
- 軒の出(壁面から屋根の端までの長さ)を測る
- 間口と奥行きにそれぞれ軒の出を加えた数値を掛け合わせる
- 算出した面積に屋根勾配による係数(4寸勾配の場合1.077)を掛ける
この計算方法はあくまで概算ですが、見積金額の目安を知る参考になります。
屋根材平米別の見積り金額目安
屋根材ごとの平米単価を知っておくと、見積金額が適正かどうかの判断材料になります。
ここでは、主な屋根材の平米あたりの金額目安をご紹介します。
■屋根材別の平米単価目安(材工費込み)
屋根材の種類 | 平米単価 |
スレート | 2万円~3万円 |
ガルバリウム鋼板 | 2.5万円~3.5万円 |
軽量瓦 | 3万円~4万円 |
和瓦 | 3.5万円~4.5万円 |
ただし、これらの単価はあくまでも目安です。
実際の工事では、以下の要因により金額が変動します。
- 屋根の形状や勾配
- 材料のグレード
- 工事の難易度
- 現場条件
また、平米単価以外にも、足場代や廃材処分費などの経費が必要です。
見積書では、これらの経費が適切に計上されているか確認しましょう。
単価の妥当性を判断するために、できるだけ複数の業者から見積りを取ることをおすすめします。
屋根修理は雨漏りする前に信用できる業者に修理依頼しよう
屋根工事の見積書では、工事内容の詳細や使用材料、数量などが明確に記載されているかがポイントです。
「一式」という曖昧な表記や、過度なキャンペーン表記がある見積書は要注意です。
適正価格での工事を実現するために、必ず複数の業者から見積りを取り、内容を比較検討しましょう。
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この記事の監修者

二瓶義哉(Yoshiya Nihei)
株式会社NK代表取締役
高校を卒業後、不動産の営業、ITコンサルタントを経験後、29歳で防水工事専門会社へ就職。
他業種だからこそ経験できたことを生かし、建築業界の枠にとらわれない視点でお客様への提案等を行うことにより、大手施工管理会社からの信頼を獲得。現在は雨漏りしない為の調査方法・修理方法を研究し雨漏り修理成功率99%を達成。
<略歴>
2018年 防水工事専門業者にて防水施工に従事
2021年 株式会社NKへ就職
2024年 代表取締役へ就任
現在に至る
<資格>
有機溶剤作業主任者
化学物質管理者
職長 安全衛生責任者
クレーン・デリック運転士
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